Graduate

2000年大学院版画コース修了

ながさわたかひろ

絵描き

  • 経歴

    1972年

    山形県生まれ

  • 発表歴

    2010年

    愛(art data bank・東京)

    2011年

    告白/ヤクルト愛(ギャルリー東京ユマニテ)
    応援/プロ野球カード(eitoeiko)

    2012年

    プロ野球ぬりえ2012〜魔球の伝説〜(eitoeiko)

    現在、『美術手帖』で、「に・褒められたくて」連載中。

  • 受賞歴

    1999年

    第7回プリンツ21グランプリ展(準グランプリ)

    2001年

    第11回ARTBOX大賞展(版画芸術賞)

    2010年

    第13回岡本太郎現代芸術賞(特別賞)

  • 続・KUMAさんに褒められたくて

    2010 エッチング、サイン 39×54cm

  • 電光石火の男/エースのジョーに褒められたくて

    2010 鉛筆、サイン B1

  • 蛭子能収に褒められたくて

    2012 シルクスクリーン、サイン 54×39cm

  • プロ野球カード2011/No.31

    シルクスクリーン 16×12cm

  • プロ野球ぬりえ2013/第2戦

    ペン、色鉛筆 B5

  • Q:現在、「に・褒められたくて」シリーズをはじめとする様々な活動を展開されていますがムサビの大学院で版画を学んでいた頃のお話を聞かせてください。
    A:うだつが上がらないダメなやつでした(笑)。"版画道"の袋小路で、もがいてた時期です。版画ってまず技術ありきで、ある程度それを身につけてしまえば、あとはどんなものでもインクを詰めて紙をのせてプレス機を通せば、作品っぽいものにはなるんですよね。そこに見えてくる何かに反応して、今度は自発的に手を加えていく。その繰り返しから作品が立ち現れてくるというような、シュルレアリスムの自動記述、あれをやってたつもりなんだけど、誰にも理解してもらえなかった(笑)。大学院は、そんな《あがき》の場だと思います。一度とことんまでやって絶望を味わう(笑)。そこからどうやって這い上がるか。ちょび髭"ミスターX"の目も光ってたし、僕にとっては版画版「虎の穴」でした。
  • Q:あなたにとって版画とは何ですか。
    A:数ある表現手段のひとつ。この認識が大事だと思っています。版画を勉強してると、何でもかんでも版上で考えてしまうようになりがちです。そうすると、やがて技術や技法に捕らわれてしまう。そして絵画の本質からズレていくんです。基本的に、描く自分と製版する自分、刷ってる自分は切り離して考えなきゃいけないと思う。それと同じように、他の表現も選択できる状況にあってこそ初めて版画の特性を理解できるんだと思います。
  • Q:版画コースを選んで良かったところは?
    A:工房という場。先生も含め、みんなが同じ場所で、同じ道具を共有して制作していくので、必然的に関係が密になる。先輩が制作している姿を間近に見ることができて、ときには手伝いをしたり、してもらったり、共同作業という側面がある。礼儀正しくもなります(笑)。
  • Q:今、ムサビで版画を学んでいる後輩の学生、或いは、これから版画を学ぼうとする受験生の皆さんにメッセージをお願いします。
    A: 学生のうちは躊躇せずに、いろんなことに手をつけた方がいいと思う。課外活動も含めてね。で、大いに失敗して恥をかくべき。学生はそれが許されるし、その全てが財産になる。当時、興味を持てず、おざなりにしていた課題、今となって「やっときゃよかった〜」ってこと、たくさんあります。一人になって一から学ぼうとしたら大変な労力のいることが、大学では課題としてサクッと経験できちゃう。そのありがたみって当事者には分かりにくいんだけどね。やっぱりカリキュラムって、よく考えられてますよ。4年間をどう過ごすか。特に版画コースは、機材も先生も充実しているので使い倒さないとね(笑)。