News

2020年10月01日

<FAL/gFAL学生公募展示>『Model Room』

Exhibition

コロナによる混乱で様々なイベントや展示が中止になる中で、武蔵美でも残念ながら芸術祭が中止になりました。
油絵学科では学生たちに、このような状況の中でも積極的に制作や展示に関わって欲しいという思いから、2号館 FAL/gFAL での展示企画を募集し、

集まった企画内容を油絵学科専任教員が厳正に審査した結果、3企画の展示が決定いたしました。

ぜひご高覧ください。

 

『Model Room』

 

出展者:金海生、小寺創太、三浦梨沙、山内萌

場所:FAL

期間:10月6日〜10月10日 9:00〜17:00(日曜入校不可)

<注意事項>

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、入構に際して、以下の注意事項をご確認ください。

ご来校前に検温してください。37.5度以上ある場合には入構できません。

マスクの着用をお願いします。

入構時に正門の守衛室で氏名・住所を記帳してください。(学外の方のみ)

入構後は所定の場所以外の立ち入りはご遠慮ください。(学外の方のみ)

 

<審査員の教員によるコメント>

このプランの媒体役となっているのは、会場の全体に点在する、山内萌のインスタレーションだろう。確かに彼女はある表象を描きもするし、品々を美術家の手つきで配置をしたりもするが、それらは観葉植物のように日常にありふれたものと、はっきりとは分かち難いものとしてあり、鑑賞者の意識に上った時にそれは初めて作品として起動する。

主に壁面にある金海生、三浦梨沙のドローイングや絵画は、ナイーブかつ魅力的なものだが、それぞれ自律性があるだけに、絵画がそれを意識させる以前の姿をした山内の企てを際立たせもするだろう。

その中でトリックスターとしての役割を演じるのは小寺創太だ。多大な忍耐を自らに課したパフォーマンスは、暗黒舞踏の黎明期に繰り返された、屋外での試みを想起させるが、先達のそれが誇示する身体であったのに対して、小寺の身体は擬態して樹木に張り付く蛾の翅、あるいは幽霊として振る舞い、彼は会期中、密やかな存在で在り続ける。

 

このユニットの各作品は分かち難いものとして、無意識と意識のあわいへと放り込まれ、その空間の生成に貢献していることだろう…

 

 

…以上がこの展示について、提示されたエスキースから受け取った、展示内容の予想だ。(執筆しているとき、展示は完成していない)

実際の展示が私の予想を上回る充実を見せていてくれることを願っている。

鑑賞者にとって拙文が少しでも展示の理解を助けるものであったら幸いである。

 

油絵学科教授 諏訪敦