ムサビの油絵学科は油絵専攻、グラフィックアーツ専攻の2つの専攻で成り立っています。
それぞれが独立した選抜(併願も可能)を行っていますが、1・2年では共通授業も数多く行われます。さらに、3年進級時に希望すれば専攻変更が可能です。
また、絵画組成の授業では、基礎課程・専門課程を通じて絵画を物質的にとらえ、さらに西洋の古典技法などの絵画技法史を学ぶことで、学生それぞれの表現の充実をはかっています。
油絵学科のカリキュラムの中では、油絵、絵画組成、グラフィックアーツを軸に自分自身の表現を重層的に学ぶ環境が整っています。
絵を描くことは、単に造形の領域に留まるものではなく、想像の世界と現実の世界を行き来し、この世界にいる自分を発見する行為でもあります。
油絵専攻は、自己の内面を深く掘り下げ、積極的な社会性を持った人材を育成するため、絵画をはじめ、さまざまな分野にも表現の可能性を探っていける「多様性」を大切にしています。
教員や同世代の仲間との「制作」「対話」「批評」から、新たな表現や考えを生み出していくことを期待しています。
浮世絵や数々の歴史的出版物に代表されるように、版画は美術作品の領域を超え、「社会とつながるメディア」として人々の生活に関わってきました。
絵本やイラストレーション、写真、映像、立体など、あらゆる複製メディア表現にその規範を広げる中、グラフィックアーツ専攻では積み重ねられた版画の「伝統」に向き合うとともに、版画を起点とした「現代」の美術表現への展開を視野に入れ、ファイン系とデザイン系の両領域が多層的に重なり合う学びの場を実現しています。